「良かったです」と言ったら、先輩に「もっと丁寧に言ったほうがいいよ」と注意された…。
そんな経験、ありませんか?
ビジネスの場では、ついカジュアルな言葉を使ってしまいがち。
でも、それが相手に幼く聞こえたり、敬意が伝わらなかったりすることもあるんです。
特に「良かったです」は、便利だけれど曖昧で、少し幼く感じられることも。
この記事では、「良かったです」がNGとされる理由や、そのスマートな言い換え方法、そして場面別の例文までをたっぷりご紹介。
20代・30代の働く男女に向けて、今日から使えるビジネスマナーをわかりやすく解説します。
「良かったです」を正しい敬語で表現するには?

普段何気なく使っている「良かったです」という言葉。でも、ビジネスの場では少し注意が必要かもしれません。まずはその理由を見ていきましょう。
ビジネスシーンで「良かったです」を使ったときの印象
「良かったです」は、どこかフワッとした印象の言葉。ビジネスの世界では「もっと具体的に伝えてほしい」と思われることがあります。
また、「嬉しい」「安心した」などの感情をややストレートに表現してしまうため、相手に軽く聞こえてしまうことも。
たとえば、上司に対して「会議、良かったです」と伝えるよりも、「有意義な内容で勉強になりました」と言った方が、丁寧で知的な印象を与えられます。
「良かったです」という表現のNGシーン
実は「良かったです」は、ビジネスメールや目上の人への報告にはあまり向いていません。
たとえば、商談後に取引先へ送るお礼メールで「本日は良かったです」と書いてしまうと、「何が?」と内容が伝わらず、信頼感を損なうことも。
また、就職・転職活動の面接などフォーマルな場面では、「良かった」という言葉が軽く受け取られがちなので注意が必要です。
「良かったです」の言い換え一覧

「良かったです」を使いたい場面はたくさんありますよね。
でもそのまま使うのはちょっと不安…。
そんなときのために、丁寧でスマートな言い換え表現をまとめました。
ビジネスメールに適した言い換え表現
ビジネスメールでは、相手に敬意を持って、かつ誤解のないように表現することが大切です。「良かったです」の代わりに使える表現としては、以下のような言い回しが便利です。
- 「安心いたしました」
- 「ありがたく存じます」
- 「光栄に存じます」
- 「有意義に感じました」
- 「勉強になりました」
たとえば、「無事に納品できて良かったです」は「無事に納品でき、安心いたしました」と言い換えることで、誠実で落ち着いた印象になります。
相手を考慮した敬語の使い方
ビジネス敬語の基本は、「自分をへりくだり、相手を立てる」こと。相手によっては、言葉の選び方を変えることも必要です。
たとえば、社内の先輩には「拝見して安心いたしました」、取引先には「貴重な機会をいただき、誠にありがとうございました」といった具合に、相手の立場を尊重した言葉を選ぶのがポイントです。
相手の立場を意識すると、自然とふさわしい敬語が選べるようになりますよ。
具体的なシーン別言い換えフレーズ
状況に合わせて「良かったです」をスマートに言い換えるには、シーンごとの表現を覚えておくと安心です。
- 会議の後:「本日の会議、大変有意義な内容で学びが多くございました」
- 納品完了後:「無事納品が完了し、安心いたしました」
- クレーム解決後:「迅速にご対応いただき、安心いたしました」
- 取引成立後:「お取引が成立し、大変光栄に存じます」
こうした言い換えを覚えておくと、どんな場面でも落ち着いて対応できます。
ポジティブな印象を与える表現
ビジネスでは、前向きな印象を与える表現が信頼につながります。「良かったです」の代わりに、少しだけポジティブさを加えたフレーズもおすすめです。
- 「非常に嬉しく存じます」
- 「素晴らしい経験をさせていただきました」
- 「大変充実した時間となりました」
- 「期待以上の成果を得られました」
これらの表現は、相手への感謝や敬意もにじむため、より円滑なコミュニケーションに。
言い換え表現ランキング
ここでは、使いやすさ・丁寧さ・印象の良さの3点を基準に、特におすすめの言い換えをランキング形式でご紹介します。
1位:安心いたしました
→ ビジネスの定番で、幅広いシーンで使える万能表現。
2位:有意義に感じました
→ 自分の学びや成長も伝えられる一言。
3位:ありがたく存じます
→ 感謝の気持ちを込めたいときにぴったり。
4位:勉強になりました
→ 謙虚さと感謝を同時に表現できる、好印象なフレーズ。
5位:大変うれしく存じます
→ 少し気持ちを伝えたいときに、上品な印象を与える表現です。
「良かったです」の使い方と注意点

「良かったです」は、使い方によっては非常に便利な表現ですが、ちょっとした場面の違いで誤解を招いてしまうこともあります。ここでは、具体的なシーンごとの注意点と適切な表現をご紹介します。
転職時における注意点と例文
転職活動では、面接やメールのやり取りなど、言葉づかいに細心の注意が必要です。
とくに面接官との会話で「内定をいただけて良かったです」と言ってしまうと、どこか軽率で子どもっぽい印象になりかねません。
代わりに使える表現:
- 「内定を頂戴し、大変光栄に存じます」
- 「御社で働けることに、身が引き締まる思いです」
こういった丁寧で前向きな表現を使うと、「社会人としての品格」を感じさせる印象になりますよ。
上司への報告における適切な表現
日々の業務報告や進捗共有の場で「良かったです」と言ってしまうこと、ありませんか?
たとえば「クレームが収まりました。良かったです」と言うと、どこか他人事のように受け取られてしまうことも。
そんな時はこう言い換えてみましょう:
- 「クレームが無事収束し、安堵しております」
- 「早期に対応でき、結果的に良い方向へ進めたと感じております」
「自分の責任をもって行動している」ことが伝わるフレーズを心がけましょう。
顧客へのコミュニケーションでの言い回し
お客様とのやり取りでは、言葉選び一つで信頼感が変わります。
「お取引が完了して良かったです」といった表現では、少し軽すぎる印象になってしまうかもしれません。
おすすめの言い換え:
- 「お取引が無事に完了し、心より感謝申し上げます」
- 「このような機会をいただき、大変ありがたく存じます」
相手に「この人にお願いして良かった」と思ってもらえるような、丁寧で気持ちのこもった言い方を意識してみましょう。
具体的な例文集

言い換え表現を頭では理解していても、いざ使おうとすると「本当にこれで合ってる?」と不安になりますよね。
ここでは、「良かったです」を使いたくなるシーン別に、実際にそのまま使える例文をご紹介します。
会議で使える表現例
会議後の感想やお礼を伝える際、「良かったです」だけでは曖昧すぎる印象になりがちです。具体的な内容や成果を織り交ぜながら、丁寧に伝えるのがポイント。
NG例:
「本日の会議、良かったです。」
スマートな言い換え:
「本日の会議では多くの学びがあり、大変有意義な時間を過ごさせていただきました。」
「皆さまのお話を拝聴し、今後の業務に活かせるヒントを多数いただけました。」
自分の気づきや感謝の気持ちを添えることで、受け手に誠実な印象を与えることができます。
プロジェクト中のポジティブな報告例
進捗報告や途中経過を共有する際も、「良かったです」だけでは不十分なケースが多いです。
報告は「安心感+情報の明確さ」を意識して構成しましょう。
NG例:
「問題なく進んでいて良かったです。」
言い換え例:
「現在、計画通りにプロジェクトが進行しており、安心しております。」
「予定していたマイルストーンを無事達成し、今のところ順調に進行しています。」
報告の「目的」や「影響」を含めると、よりビジネスらしい表現になります。
取引先への丁寧なメッセージ例
取引先への連絡は、とくに言葉選びに慎重さが求められます。
「良かったです」というカジュアルな表現は避け、丁寧さと感謝の気持ちを伝えましょう。
NG例:
「先日のご提案、とても良かったです。」
丁寧な表現例:
「先日は貴重なご提案を賜り、誠にありがとうございました。大変参考になりました。」
「貴社のご支援により、スムーズに進行できております。心より感謝申し上げます。」
「良かった」という気持ちの背景には、「ありがたい」「助かった」という感情があるはず。それを素直に、敬意をもって伝えることが大切です。
「良かったです」とその類語

「良かったです」を言い換える際には、単に敬語にするだけでなく、意味のニュアンスに注目することも大切です。
同じ「良い」という感情でも、場面によって適した言葉は微妙に異なります。
ここでは、代表的な類語や、選び方のポイントをご紹介します。
言い回しの種類
「良かったです」は、「安心した」「うれしい」「満足した」など、さまざまな感情を含んでいます。そのため、状況に合わせて適切な言葉を選ぶことが求められます。
たとえば…
- 安心を伝えたいとき:「安心いたしました」「無事で何よりです」
- 喜びを伝えたいとき:「大変うれしく存じます」「喜ばしく思っております」
- 感謝を含めたいとき:「ありがたく存じます」「光栄に存じます」
- 満足や価値を伝えたいとき:「有意義に感じました」「貴重な経験となりました」
ただの「良かった」では曖昧な気持ちも、言葉を選ぶことできちんと伝えられます。
誤解を招かないための表現の選び方
言葉は便利な一方で、伝え方を間違えると誤解の原因になってしまうことも。
特にビジネスの場では、感情的・主観的に聞こえすぎる表現は避けたほうが無難です。
例えば、「すごく良かったです」というフレーズ。
カジュアルな場なら問題ありませんが、ビジネスメールでは抽象的で軽い印象になってしまいます。
代わりに:
- 「非常に価値のある時間となりました」
- 「内容が的確で、大変参考になりました」
このように、何がどう良かったのかを少しだけ具体的にしてあげるだけで、印象はぐっと良くなります。
気持ちの「熱量」はそのままに、相手への敬意を忘れないことが大切です。
まとめ

「良かったです」という一見シンプルな言葉。ですが、ビジネスの場では、その使い方ひとつで印象が大きく変わってしまいます。
とくに目上の方や取引先とのやりとりでは、敬意や具体性が伝わる表現を心がけることが大切です。
この記事では、「良かったです」の持つ曖昧さやNGシーンをはじめ、シーン別の適切な言い換え表現、メール・会話で使える例文、そして類語の選び方までご紹介しました。
大切なのは、相手に伝わる言葉選び。ただ丁寧なだけでなく、気持ちや状況がきちんと伝わる表現を使うことで、あなたの印象はぐっとスマートになります。
これからのビジネスシーンで、「良かったです」に代わる“伝わる敬語”を自信を持って使ってみてくださいね。