彼岸花といえば昔から毒があると言われ、
なんとなく忌み嫌われている花ですが、
秋に一斉に咲く様子を見ると美しいと思います。
秋と言えば、きんもくせいやコスモスなどいろいろな花がありますが、
彼岸花も鑑賞するにはとても素晴らしい花のひとつではないでしょうか。
そんな彼岸花に彼岸花に毒があるのは本当です。
特に“鱗茎(りんけい)”と呼ばれる球根の部分に強い毒があります。
毒抜きをすれば食用にできるとのこと。
今回は彼岸花の毒抜きと毒についてご紹介していきたいと思います。
ヒガンバナの毒抜きの方法は?
このように危険な植物であるヒガンバナですが、
球根部分にはデンプンが豊富に含まれているため、
飢饉や戦時中などの緊急時に食用とされたこともあったようです。
ただし、球根部分は特に毒を多く含んでいることから念入りに毒抜きを行っていました。
具体的には、以下のような方法で毒抜きをしていたようです。
- 球根の外側の黒い皮を剥ぐ(白い実)
- おろし金やすり鉢を使って丹念にすりつぶす(液状になる)
- 最低毎日1回、7回以上流水にさらし毒を流す
- 鍋で煮込んだあと天日干しにしてよく乾燥させて粉状にする
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毒抜きが不完全だと下痢などの症状が出ますので、
細心の注意を払って下さいね。
彼岸花の毒とは?
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彼岸花の毒は“鱗茎”以外にも花・葉・茎・根など全体に含まれています。
毒の成分は主に「リコリン」・「ガランタミン」・「ホモリコリン」などといったアルカロイドです。
これらを大量に摂取すると、よだれや吐き気・腹痛を伴う下痢といった症状になる恐れがあります。
また、重症になると中枢神経が麻痺してしまい、
死に至ることまであるとのことです。
そのため、万が一症状がでてしまったら、
すぐに医師の診断を受ける必要があります。
絶対にそのまま口にはしないようにしてください。
彼岸花の毒の強さは?
さきほどもご紹介したように彼岸花は特に球根部分に強い毒を持っています。
この球根の部分には「リコリン」が1グラム当たり0.15ミリグラム含まれています。
「リコリン」を摂取したときの致死量は10グラムといわれていますので、
少しかじった程度では死に至ることは少ないでしょうが注意が必要です。
乳幼児が摂取して中毒症状となった場合、
嘔吐物が気管内に吸い込まれて窒息してしまう可能性があります。
気をつけてください。
また、犬や猫などのペットは人間よりも体が小さいので、
少量の摂取でも死に至る危険性があります。
そのため、放し飼いをされている場合や散歩の際には気をつけた方が良いでしょう。
彼岸花は触るのも危険?
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彼岸花の毒は、口にしてしまうとたいへん危険ですが、
触れてしまっただけでも危険なのでしょうか?
ちょっと気になってしまいますよね。
その答えですが基本的には触るだけでは大きな問題はありません。
ただし、皮膚の弱い人が触ってしまった場合には、
触った部分がかぶれてしまう恐れがあります。
そのため、仮に触ってしまった場合には念のためよく水で洗った方が良いでしょう。
まとめ
彼岸花は球根をそのまま摂取してしまうと危険ですが、
毒抜きすることで食べることができる花です。
その花は美しいため鑑賞される人は多いようです。
日本各地には彼岸花の鑑賞スポットがいくつかあり、
特に埼玉県日高市の「巾着田」は日本最大級の約500万本が群生し有名なスポットとなっています。
🐇
— ✿「風 Ⅳ」✿ (@kaze_iv) September 22, 2022
埼玉県日高市の巾着田曼珠沙華公園で、約500万本のヒガンバナが見頃を迎えています。2020年と21年は花見客が集まらないよう開花前に刈り取られていました。
写真→https://t.co/Vee0ZaWYfU #ヒガンバナ #曼珠沙華 #巾着田 pic.twitter.com/2LvICN325z
また、土手や田んぼのあぜ道でよく彼岸花が咲いているのは、
その強い毒性に由来しているとのことです。
つまり、モグラやネズミがこの毒を嫌って田んぼに寄せ付けないようにして、
稲や野菜などの農作物を守るために植えたという説もあります。
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私はちょっと食べるのは勇気がいるなと思うので、
花を鑑賞するだけにしようと思います。