ししおどしの仕組みは水を汲み上げて竹に流すのですが、
これって現在は電気があるからできることですよね。
ならば、昔はししおどしに、
どうやって水を流していたのでしょうか?
気になりませんか?私は気になってしまいました。
ししおどしはずっと水を流さないといけませんから、
絶えず水を汲み上げる仕組みが必要になってきます。
気になって調べてみると、
ししおどしの仕組みは「昔とは違う」ことがわかりました。
昔のししおどしは、
山の斜面から降りてきた水を利用する仕組みだったのです。
ししおどしは昔から使われていますが、
漢字で書くと「鹿威し」となります。
なぜ「鹿」と書くのでしょうか?
ししおどしはなぜ鹿と書くのかわかりやすく解説!
![鹿威しとは](https://lijoy.jp/wp-content/uploads/2022/07/af7fb79b039696f8896143778a63203e-1024x640.jpg)
ししおどしは「しし」なのに、
なぜ鹿という漢字が使われているのでしょうか。
「しし」といえばライオンの「獅子」を思い浮かべますよね。
ししおどしを漢字でなぜ鹿威しと書くのかというと、
実は日本の歴史が関係しているのです。
昔の人は肉のことを「しし」と呼んでいた
昔の人は、狩猟の対象となる肉のことを「しし」と呼んでいました。
主に狩られていたのは鹿といのししです。
昔は鹿のことを「か」、
いのししのことを「ゐ(読みは「い」)」と言っていました。
それに肉である「しし」を付けて「かのしし」、
「ゐのしし」と呼ぶようになったのです。
現在だったら「鹿の肉」「いのししの肉」という言い方になります。
しばらく経つと「しし」の部分だけで「鹿」のことを言うようになりました。
今でも言葉を省略するのが流行りますが、昔から言葉は変化していたのですね。
鹿を「しし」と呼ぶようになったのかわかりました。
実は、鹿を「か」と呼ぶ習慣が今も残っているのを知っていますか?
鹿を「か」と呼んでいた名残は「鹿の子(かのこ)」
「鹿の子(かのこ)」という言葉を聞いたことがありませんか?
私は編み物をするので「鹿の子編み(かのこあみ)」という言葉を知っていました。
網目が鹿の子供の背中にある斑点の様に見えるので鹿の子編みと言います。
ですから「鹿の子」とは「鹿の子供」のことを指しました。
鹿の子編みにすると可愛い印象になるのは、
鹿の子供の背中に似ていたからなのですね。
今は鹿を「か」と呼ぶ習慣はなくなりましたが、
身近にも「か」と呼んでいた名残があります。
昔からある言葉を探してみると面白いです。
昔から親しまれていたししおどし。
とても風流で良いですが、似ているものに「つくばい」があります。
つくばいとししおどしの違いは何なのでしょうか?
つくばいとししおどしの違い3つ!
![ししおどしとつくばいのち外](https://lijoy.jp/wp-content/uploads/2022/07/cbd1b6393c137ade5b92f19861437702-1-1024x768.jpg)
茶室がある日本庭園で見られる「つくばい」。
つくばいは音が風流で落ち着きます。
しかし、見た目が似ているので間違えやすいですよね。
違いをまとめてみました。
1.仕組み
「つくばい」は、竹に水を流してそれを下の石でできた臼(うす)に落とします。
「ししおどし」は竹に流した水を、さらにシーソーのような竹に流すもの。
シーソーのようになった竹が下の石等に当たることで音が鳴る仕組みです。
つくばいとししおどしでは仕組みが全然違います。
さらに、つくばいとししおどしは音も違いがあるのです。
2.音
つくばいは、絶えず「ちょろちょろ」と水が流れる音がします。
ししおどしは「ちょろちょろ」という音がしますが、
定期的に「カコーン」という乾いた音がする仕組みです。
音だけ比べたらまったく違いますよね。
そもそもつくばいとししおどしは昔の役割が違いました。
3.役割
つくばいはもともと、神社で手を洗ったりする時に使う
手水鉢(ちょうずばち)の手前に作られました。
風流だったので、いつしか茶室に作られるようになったものです。
ししおどしは「鹿威し」と書くように、
鹿やいのししをおどかすために作られました。
ししおどしは、畑を荒らさないように
音で鹿やいのししを追い払っていたのです。
その後音がいいということで、
日本庭園に作られるようになりました。
つくばいとししおどしは全然違う役割からできたのですね。
どちらも癒される音で心地いいので、
ゆっくりできるような所に作られていったのでしょう。
ものの違いがわかると、日本庭園を見に行った時に
より楽しむことができるのでおすすめです。
是非、日本庭園で素敵な音に癒されてはいかがでしょうか。
見た目だけではなく、音の違いもゆっくり楽しみたいものです。
まとめ
![ししおどしのある日本庭園](https://lijoy.jp/wp-content/uploads/2022/07/ac5767ee625646e03049d776aed30b9c-1-1024x699.jpg)
ししおどしの仕組みは昔とは違います。
昔のししおどしは、山の斜面から降りてきた水を利用して、
あの風流な音を作り出していたんですね。
また、昔の人は肉のことを「しし」と呼んでいましたが、
しばらく経つと「しし」の部分だけで「鹿」のことを言うようになりました。
「ししおどし」や「つくばい」は日本ならではのもの。
今は住環境が変化してなかなか見ることができないですが、
たまに見つけると嬉しくなってしまいます。
なんと言っても昔の人と同じ音が聞けるのは、
タイムスリップしたような気持ちになりますよね。
都会の喧騒に疲れたら、
日本庭園を散歩してみてはいかがでしょうか?
心が落ち着いて頭の中がスッキリしますよ。