数学文章作法 基礎編は結城浩さんの著書ですが、
もちろん数学の話ばかりではありません。
数学表現をわかりやすく書く方法もありますが、
どんな文章を書くことにも応用できる内容になっています。
数学などの理系な文章であろうが、
小説やエッセイのような文章であろうが、
「読者に伝わるように書く」ことは一緒ですね。
特に論文などを書こうとしている方には、
文章を書く時のルールが分かっておすすめです。
こんな人におすすめ
「数学文章作法 基礎編」はこんな方におすすめです。
- ブログ、レポートな伝える文章を書きたい方
- 数学・化学など理系の論文を書く方
- 読みやすい文章を書きたい方
- 文章を書く基礎を知りたい方
書籍の紹介
文章の順序や数式、わかりやすい例の作り方、
目次や索引の作り方に至るまで、内容が具体的です。
文章の書き方について例をあげながら添削形式で進むので、
何がどう間違っているのか?がよく分かります。
技法について淡々と述べられていますが、
そこに一貫しているのは「読者のことを考える」ということ。
わかりやすく例示することも、形式を大切にすることも、
結局は「読者に伝えるため」です。
読者が自分の文章を読んでどう感じるか?
わかりやすく伝えられているか?を考えることが、
「読者のことを考える」ことなんでですね。
これは技術系に限ったことではなく、
文章を書く人すべてに当てはまることでしょう。
「数学文章作法」というテーマではありますが、
理系・文系問わず、すべての「物書き」に通じる内容になっていますよ。
心に響いた言葉と私の感想
「数学文章作法 基礎編」を読んだ私の感想を書いてみます。
読者のことを考える
この本は「読者のことを考える」に始まり、
この言葉に終わる、と言ってもいいでしょう。
「読者のことを考える」は、様々な本でも言われていて当たり前すぎますが、
「数式」という無機質なものを説明するからこそ、この考え方が重要になってきます。
数式のような答えが一つしかないものが、
読む人にとって幾通りにも解釈できてはいけません。
だからこそ、読者を迷わさないよう、分からなくならないよう
「読者のことを考える」というのが大切なんですね。
この本で一貫して語られている「読者のことを考える」ことは、
書くことに対して初心に帰ることができた言葉でした。
メタ情報で読者に手がかりを与える
専門的になればなるほどやってしまいがちなミスですが、
自分が知っていることを相手も知っていると思って書くこと。
メタ情報とは「前提になること」とも言いかえられますが、
読み手と書き手がお互いが同じ前提条件を持っていなければ伝わりません。
書き手にとって「当たり前」のことを書き飛ばさずに
前提となることも書いて盛り込んでおくことで、
伝わりやすい文章になるのです。
ついつい、自分が分かっていることは書かないものですが、
「初めて聞く人にとって理解できるか?」を基準に
メタ情報を合わせて書くことを意識しようと思いました。
著者の紹介
著者の結城浩さんは、
長くコンピューター雑誌に連載を書かれていて技術者系の作家さんです。
プログラミング言語、デザインパターン、暗号、
数学などの分野でたくさんの入門書を書かれています。
その中でも有名な連載本が「数学ガール」という数学小説です。
「数学ガール」は先生と生徒の物語仕立てで、
日常の数学的な話題をテーマに上げて、
わかりやすく解説する内容になっています。
数学ガールも、数学初心者にもわかりやすい本ですが、
この「数学文章作法」でその書き方のエッセンスをまとめています。
まとめ
この本は、私がブログを書き始めた頃に、
ネットビジネスの先輩がプレゼントしてくれた本です。
根っから文系の私なのに「なぜ数学文章作法なのだ?」
と思って読みましたが、この本が伝えたかった
「読者のことを考える」を先輩も伝えたかったのでしょう。
読んでみて「なるほど、文系の私でもよく分かる」と思いました。
技術系の文章でも、ブログやSNSの文章であっても、
「読者のことを考える」というのは通じることです。
数学的な文章の書き方についても多く記述がありますが、
ほとんどの内容は「文章を書く人にとって基本的なこと」です。
ほんのちょっとの表現の違いが、
わかりやすさを左右することもあります。
そうした「ちょっとした表現」を見逃さずに、
明確に表現する方法を教えてもらえる本だと思いますよ。