この本は「見込み客を成約客に育てるお礼状の書き方・送り方」
というタイトルですが、内容は「人づきあいの学び方」が一番しっくりします。
もちろん、お礼状の書き方や送り方のノウハウも満載なのですが、
お礼状を書くには、書くための「ネタ」が必要になります。
その「ネタ」に著者の人づきあいのエッセンスが、
ぎっしり詰まっているんですね。
書き方のノウハウ本というよりは、
商売人の心構えが学べる本だと思います。
こんな人におすすめ
- 来店客は多くても商品が売れない個人店舗の経営者
- サービス業の店員・店長をされている方
- お礼状を書いているが反応が薄くて困っている方
- 高額or購入頻度の低い商品を扱う商売の方
書籍の紹介
一生に数回しか買わないような商品を扱うお店でも、
繁盛店になれる方法について解説してくれています。
正確に言えば「お礼状出せば繁盛店になれる」ってわけじゃないです。
お礼状はツールの一つに過ぎないんですね。
ただ、お礼状を出す効果は絶大で、
しかも効果的なお礼状の書き方もあります。
では、どのように効果の高いお礼状を書くのか?
について書いてあります。
お礼状も手書きで書くから良いとか、郵送だから良いとか、
本質的なところはそこではないんですね。
全体を通して、商売における人づきあいについて学べる本になっています。
心に響いた言葉と私の感想
この本を読んで特に響いた言葉などの感想を書いてみます。
もらって心痛むお礼状を書いてはならない
「心痛むお礼状」って何だ?
と読むまで不思議でしたが読んでなるほどでした。
手書きで書いているのに、誰にでも同じような文章を書いているお礼状。
自分じゃなくても誰に送っても差し支えないような文章のお礼状。
こういうお礼状のことを「心痛むお礼状」、
通称「ガッカリお礼状」と呼んでいました。
せっかく手書きで書いているのに、
文面が誰でも同じような内容なら印刷でもいいよね?って感じますよね。
それは山田さんも同じ思いのようで、
むしろ「手書きでそれをやっちゃダメ」といいます。
私は年賀状とかで、手書きの一筆を全く添えずに送ってくる人に
同じような気持ちをよく抱きます(笑)
「個別に言いたいともないような年賀状なら、送ってこなくていいのに」と。
年賀状を送り合う仲の人にさえそう思うのですから、
お客と店という関係なら、なおさら思うに違いありません。
こうしたお礼状を著者の山田さんが手直しすると、
当事者ではない私が読んでも「またお店に行ってみたいな」と思えるお礼状になります。
その手直しの仕方は素晴らしいので、
ぜひ書籍で確認してもらえばと思います。
買った時にしかお礼状が届かなければ、ちょっと悲しくないですか?
これは私がドキっとしたフレーズです。
私も購入いただいた方にメールを送ることはありますが、
購入前の方にメールを送ることは少ないです。
しかも「お礼状」ではないですね。
単に「売り込みメール」の延長でしかありません。
私は対面ではなく「ネット」のみだからという理由もありますが…。
それでも「購入者だけでなく、見込み客にも気にかけていることを伝える」
という視点は持っておかなければならないなと思いました。
人は自分の存在を認められると嬉しいですもんね。
「お礼状」の内容はお礼でなくてもいいんです。
お目にかかれて嬉しかったとか、あなたのお話に私も影響されましたとか、
ふとしたことであなたを思い出しましたとか、
そういうことを書くのがお礼状なんですね。
今ならそれが、メールでもSNSのDMでも良いのかもしれませんが、
山田さんは手書きのお礼状をおすすめされていましたよ。
優秀な顧客管理ソフトもアナログ情報を集めないと意味がない
「お客様ひとり一人について記録しておきましょう」という話の中で、
顧客管理ソフトについても書かれています。
お客様の情報をたくさん集めて管理するなら、
どんな顧客管理ソフトが良いか?は気になるところでしょう。
どのソフトが使いやすいのか?は、
どれだけアナログ情報を集められるか?に左右されるんですね。
いろんな情報を入れられるソフトだったとしても、
あなたが直接聞いたり、会って感じたりした事柄が少なければ意味がありません。
管理ソフトにたくさん情報を管理できても、
情報が貧弱では宝の持ち腐れですよね?
たとえ記録に残しておくものがデジタルだったとしても、
お客様と会って感じた五感や感情、印象などの
「第六感」まで記録しておくことが大事とのこと。
お客様は生身の人間。
データ扱いしても、ただの自己満足になってしまいます。
「商売とは本来、そういうものだったよね」
ということを、山田さんの言葉で改めて感じさせてもらった気がしました。
著者の紹介
著者の山田文美さんは地方都市在住で、
商店をされている旦那様のお家へ嫁いだことで商売の道に入ったそうです。
今はコンサルティング業や執筆活動を精力的にされていて、
数多くの店舗を売上アップした実績をお持ちです。
ですが、商売を知らずに嫁いできた山田さんの苦労と努力が、
この「お礼状の書き方」の原点になっています。
一流企業でマーケティングをバリバリにやっている人ではない、
地方で小さな商店を経営している奥さま、というところが、
とても親近感を感じて参考になりました。
まとめ
私はこの本を知人の保険の営業マンから紹介されて買いました。
紹介していただいた方も素晴らしいのですが、
その方の魅力もこの本を読んでよく分かりました。
商売するからには、見込み客に購入してもらわないといけません。
そのためのツールとして大事になってくるのが、
お礼状であり、お客様との生身のやりとりなんですね。
お客様にアクションを起こしてもらうには、
自分からアクションを起こしていかなければ心は動きません。
どうすれば、お客様に次の行動を起こしてもらえるか?を
様々な角度から解説している内容になっています。
どんなテクニックより、相手を思う気持ちが大事ですね。